症例番号0704017
全盲、左右脳梗塞後遺症患者の歩行改善の症例
平成19年4月20日
- 症例
- 64歳 男性 無職
- 主訴
- 歩行困難
- 病名・症状
- 脳梗塞後遺症(歩行障害、講音障害) 全盲(高2の頃から) 心雑音 高血圧 前立腺肥大 痛風
- 現病歴
- 平成16年12月、1回目の脳梗塞を発症し軽度の左半身麻痺となるも入院はせず働いていた。
平成17年6月、2回目の脳梗塞を発症し森本病院に入院。右半身麻痺となり講音障害をきたす。
7月末ぐらいまでは家の周辺を介助者の肩に手を置き歩行可能であった。
心雑音はECGに少し現れる程度。 - 既往歴
- 蓄膿手術(高2の頃)
- 治療目的
- 拘縮予防と歩行の改善。昼夜逆転(施術時間を午前中にする事で矯正を図る)
- 現在までの経過
- 初診時は一般的な廃用症候群や片麻痺の患者に行うエクササイズを行うことで廃用症候群からの離脱を図ろうと考えたが、プロセス通りベット上の訓練、起き上がり、座位保持、座位バランス、立ち上がりエクササイズをクリアしていかないと先に進まないのではこの患者の場合はQOLが上がらないのではないか? と考え他の担当者と協議し経過途中から拘縮予防と歩行練習へと方針の変更をした。
歩行練習は能動的及び受動的運動の両方を行っている。内容は、片手は手すりを握りもう一方の手は介助者の手を握り手引きする前方片手半介助の方法と、ほぼ歩行を介助者で掌握してしまう前方からの全介助法の2通り。
全盲、痙性出現、位置覚障害がある為、介助法は家族も行っている前方介助が安心する様である。
歩行は体重の移動を介助者が誘導、口頭でテンポ刻めば自力で足が出るように改善した。しかし、まだ歩行時に前方荷重し膝伸展位になるとクローヌスが出現するので注意が必要である。 - 考察
- 歩行に関しては下肢に体性感覚の1つである位置感覚(足関節、膝関節、股関節)障害がある為に歩行が困難になっていることと、歩行時に錐体外路障害で現れる痙性の出現が歩行改善の妨げになっている。又、全盲で特殊感覚である視覚からの入力がないことも大きなマイナス要因であると考える。
